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<<   作成日時 : 2006/04/08 19:13   >>

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花森安治と「暮らしの手帖」展が開催されている世田谷文学館は、京王線の蘆花公園駅を降りて徒歩5分のところにある。大学時代、友人が隣の千歳烏山に住んでいたので駅の名前は良く知っていたのだが、実際に降りたのはこれが初めてだったのだ。
私は大学時代の最初の2年間は姉と一緒に吉祥寺に住んでいて、それから後はずっと西荻窪に住んでいた。大学時代にはテニスサークルに所属していて実際に活動したのは最初の1年ちょっとくらいだったが、吉祥寺の井の頭公園の隣の日産厚生園というところにテニスコートがあり、授業の合間に吉祥寺駅から歩いて通ったり、吉祥寺北町のアパートから歩いて行ったことも何度かあった。あの当時は似合わないのに短いスカートを履いて短大や女子大の女の子達と一緒にテニスをやっていたのだ。大学を卒業して何かの仕事につきたいという希望もなく、好きな人と結婚することしか考えていなかった。今振り返ってみると田舎の公務員の娘の自分がまさかこんな人生を送ろうとは思いもよらなかったという感じだ。
千歳烏山へは吉祥寺からバスが出ていて、何度か友人に会いにバスに乗って行ったし、友人の車で何度も通った。駅前の区の施設で卓球をしたり、貸しレコード屋さんに行ったのも懐かしい思い出だ。今回は新宿から京王線に乗って行ったのだが、京王線は明大前と千歳烏山、仙川くらいしか降りたことがなくもともと馴染みがなかったのだが、良い天気で窓から桜が咲いているのが見れたりしてとても気持ちが良かった。沿線には緑が多く花の名所もたくさんあるようだ。
東京は近年高層ビルばかり増えて、たまに行っても疲れることが多く、このような住宅街に行くととてもほっとする。蘆花公園はやはり閑静な高級住宅地で、文学館の手前には女子学生会館があって高級な感じのレストランもあり、こんなところで暮らしている人は金持ちなのだろうなあなどと考えながら歩いていた。
文学館にはお昼頃に着いて、館内の「どんぐり」という喫茶店で軽食を取った。明るい日差しの降り注ぐ中でゆっくり食事を取るのは至福の時間という感じだった。このような文化的な素晴らしい施設があるなんて周辺の方達は本当に恵まれていると思う。”どんぐり”といえば、前日大学時代の友人と10年ぶりに会ってスペイン料理を食べた時にも「どんぐりのムース」が出てきたし、なんだか今回はどんぐりに縁があったのだが、徳富蘆花には「みみずのたはごと」という作品があって、須賀敦子の「どんぐりのたわごと」は徳富蘆花の「みみずのたはごと」からの連想だろうかなどと考えていた。
2Fの常設展も覗いたが、思いがけなく森茉莉のぬいぐるみと「私の美の世界」の「頸飾りと私」に登場する鴎外から贈られた首飾りが展示されていたので、「ああ、ここにあったのか」とあまりにあっけない対面にいささか拍子抜けした。世田谷ゆかりの作家のビデオでの紹介のコーナーもあり足を休めるために徳富蘆花のビデオを見たが、彼がトルストイに共鳴していて実際にロシアまで行ってトルストイに会っていたというのは驚きだった。徳富蘆花は、自然に関する本を読んでいるとその名がよく登場するので、ちょっと研究してみたいと思っている作家の一人なのである。
次回の展示はヘルマン・へッセ展である。これも機会があれば是非見たい企画である。
http://www.setabun.or.jp/hesse.htm
最後にミュージアム・ショップで、竹久夢二のカレンダーやぽち袋や便箋を見つけたのはちょっとしたサプライズだった。竹久夢二も興味ある人物の一人で、カレンダーの卓上型を友人に、壁掛け型を自分用に買った。絵葉書も花森安治のかわいいものが何枚かあったし、坂口安吾のよいものが2枚あったのでそれも買った。満ち足りた数時間だった。

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