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<<   作成日時 : 2009/01/02 12:14   >>

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 本の整理をしながら、何気なく「改定 児童文学へのいざない 児童文学ハンドブック」(原昌 建帛社)を読み返していたら、「民衆芸術の”野の花”」という見出しに惹かれて読み進んでみると、赤ずきんちゃんに関しての文章だった。

 むかし話は、いつ、どこで、だれが作ったか分からないが、民衆の生活感情に根ざし、民衆の夢や願望がひそんでいる空想的な物語で、何百年何千年と語り伝えられてきたものである。いくつもの変型をもち、野に咲き乱れた民衆芸術の花ともいえようか。
「むかしむかし、あるところに小さな愛くるしい女の子がおりました・・・・」
幼い頃、たくさんの子どもたちがこの語りに触れる。
 私の幼少時、どういうわけか「浦島太郎」や「桃太郎」などの日本のむかし話のなかに、「赤ずきん」と「灰かぶり」が同居していた。しかも私の聞いた「赤ずきん」は、オオカミに喰われもせず、いつも大声を張りあげて元気に逃げさっていく話であった。だが、後年になって、その母の語りが旧制高女時代の副読本で大正11年刊の英語対訳本、山崎貞「フェアリー・テールズ」であることを知った。
  この本では逃げる赤ずきんをオオカミが追いかけるが、木こりに見つかり、おので殺されてしまう。そして赤ずきんが無事に母親のもとに帰ると、母親は「森の中で遊ばなかったらよかったのに」と言い、「子どもはお母様の仰しゃる通りになすべきもので御座居ます」と結んであった。これはペロー童話にも、グリム童話にもその他の変型にもない、当時の女学生しつけ用の「赤ずきん」であった。
 「赤ずきん」の祖型は、十一世紀の古代ローマの物語にさかのぼることができる。赤い布をかぶった女の子がオオカミと道づれになり、生きたまま飲みこまれるが、また出てきて石をつめる話となっており、この伝承をよみがえらせたのは、グリム兄弟であった。一方、教訓のために童話を書いたぺローは、赤ずきんの残虐な死で物語を閉じた。誘拐されるなという教訓のためには、物語の結末は残酷でなければならなかったのである。
 また神話学者のなかには「赤ずきん」の話を自然神話の名残だとするものがいる。この物語を日の入りと日の出のアレゴリー、つまりオオカミは夜。赤ずきんは昼を象徴し、狩人がオオカミの腹を裂くところは、夜からの開放を意味するのだという。私が思うに、赤ずきんは生来だれをも疑うことを知らない子。世界の物語文芸のなかで、もっとも無垢な子ではなかったろうか。イギリスの文豪C.ディケンズは「赤ずきんは私の生まれてはじめての恋人だった。かの女と結婚でできたら至上の幸福だったろうに・・・」と、幼年時代を回想し、懐かしんでいる。
 ドイツのメルヘン街道の終わり近くに、アールスフェルトの古い小さな町がある、私はこの木組みの家並みの街で、赤ずきんの淡い黄土色をした像を見た。高い台のうえに立った赤ずきんの可憐な彫像は遠い空を見ていた。
 アールスフェルトはグリムの「赤ずきん」の故郷で、この立像には、グリム童話に漂う「素朴で清らかで穏やかな光」が放たれていた。
 「むかしむかし、あるところにちいさな愛くるしい女の子がおりました・・・・」
 いったい世界の人たちは、この話を子どもたちに何万回、いや何億回しただろう。


そういうわけで、以前古本市場で105円で拾ってきた「赤頭巾ちゃんは森を抜けて 〔社会文化学からみた再話の変遷〕」(ジャック・ザイプス 廉岡糸子・横川寿美子・吉田純子訳 阿吽社)を読む時が来ました。私はこういう比較文学のようなことをしたいのでしょうね(^^)。ジャック・ザイプス氏は1999年第7回国際グリム賞受賞者だそうです。
http://www.iiclo.or.jp/07_com-con/01_grimm/1999.html 
元旦の日、朝起きて最初にテレビを見た時に、ちょうど石野真子の「狼なんか怖くない」をやっていました。
http://jp.youtube.com/watch?v=jzJEC11pJJw&feature=related ←「狼なんか怖くない」
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0673.html ←松岡正剛の千夜千冊『おとぎ話が神話になるとき』
http://blog.livedoor.jp/jamaica/archives/51212914.html ←日曜日生まれ!

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