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蒼の栞 台洋子 あなたの背はすくすく伸びて 体じゅうがほんのり 花の色を帯びてきました わずかにふっくらしはじめた胸や すこしだけ丸みのついた腰 そんなやわらかな訪れを あなたはとても嫌っていました ふっくらしていくことは お祭りの後の肝試しや 林の中での隠れ家づくり 廃墟探検や 丸木橋わたり 物語に満ちた冒険から 閉め出されていくことでした あぶないから 人気がないから 女の子でしょ 女の子なんだから ふっくらしていくことは・・・・・・ そして あなたの花柄のワンピースを透かして 何かを覗いているような怖い視線にも たまに 出逢ってしまうから 女の子になることを あなたは恐れていましたね 鏡の前で レースのあしらわれた真っ白な 浅く縫われた膨らみを はじめて 胸に当てたとき あなたは それが 自分を縛るもののように思えて 昨日と結びつかなくて 息苦しくて 突然あなたを弱いものにしてしまったものの正体に 怯えては抗っていたのです (「Time Over 台洋子詩集」(現代新鋭詩人叢書 土曜美術社出版販売 2002)より) *この詩集はブックオフの105円コーナーでなんとなく気になって拾ってきたのですが、家に帰ってから気がつくと、私の知人の田中淑恵さんが装丁を担当されていました。私のお気に入りの詩集の一つです。 http://www.geocities.jp/imasumi2003/tagyou/booktimeover.htm ←「Time Over 台洋子詩集」 http://magnoria.at.webry.info/200603/article_31.html ←田中淑恵さんについて http://www.artfolio.org/mamehon/ ←田中淑恵さんHP |
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