magnoria

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS お友だちのほしかったルピナスさん (3)

<<   作成日時 : 2007/10/10 18:38   >>

トラックバック 0 / コメント 0

 3人は、ぐったりと、いすにもたれこみました。たしかにたべすぎです。くちをきくのもおっくうです。パタコトン氏でさえ、だまってしまいました。ところが、このとき、紙のいえが、ゆらゆらゆれだしました。はじめはちょっぴり、それからだんだんはげしく、ぐらぐらと、そらも、あやしくかげってきました。
 「ほうがいなるあらしっていうのも、わるかないですね」パタコトン氏はいいながら、さいごのハチミツアメをしゃぶっています。けれども、それをしゃぶりおえないうちに、
  ピョコン―紙のいえは、ひとつ、とびあがりました。
 「なるほど、これは―」パタコトン氏はいいかけましたが、まだむずかしいことばをひとつもつかわないうちに、
  ピョコン―いえは、またひとつとびあがり、それから
  ピョコン―もうひとつ、それから
  ピョコン―まえよりももっとたかくとびあがって、
ぐらっとよろめいたのです。テーブルも、いすも、ココアのかんも、ハンプティ・ダンプティも、おさらも、ルピナスさんも、コップも、パタコトン氏も、スプーンも、テーブルかけも、みんなひっくりかえって、ごちゃまぜになったかとおもうと、こんどはまあ、いえごと風にふきとばされて、きりきりまいしながら、そらへ、ぶあつい黒雲のなかへとつっこんでいきました。
 「たすけて!」パタコトン氏がわめきました。「たすけて、ぼくは紙だもの、たちまちとばされちまうんだ。たたたたたすけて!」
 でも、ハンプティ・ダンプティが、うんよく右あしをつかまえ、あわやというところでひきとめてやりました。
 「だいじょうぶ」ハンプティ・ダンプティは、パタコトン氏をやさしくなぐさめ、そのまま、あしをおさえてやりながら、「だいじょうぶ、すぐやみます。ほた、そらのさんぽだとおもえばいい。くうきがきれいで、からだにいいですよ。ただし、しっかりつかまっててください。このいえなら、かんたんにひこうきにはやがわりです。いっときますが、パタコトンさん、あなたの紙をえんりょなくつかわせてもらいます。そうそう、はさみもです。サンキュー」
 そういったかとおもうと、紙のいえは、ワン・ツウ・スリー、あっというまに紙ひこうきにかわっていました。
 「なんだ、きみも紙ざいくの名人だったのか!」パタコトン氏は、すっかりおそれいり、しばらくは、こわさもわすれたみたいでした。
 「いえ、ほんのちょっとばかり」ミスタ・ハンプティ・ダンプティは、こまったようにせきばらいして、ほんのりほおをあからめています。
 紙ひこうきは、鳥のように、ぐんぐんそらをとび、ますますたかくのぼってゆきました。木々が小さく小さくなってゆきます。あらしのせいで、木の葉もすっかりふきとばされてしまっています。
 「鳥さん、たのしそうだこと!」まるぼうずのこずえから、ネコがしっぽをふりふり、しわがれ声でよびかけました。「おいでよ、鳥さん、あんたみたいにきれいな鳥、はじめてみたもの」でももう、それどころではありません。紙ひこうきはどんどんのぼっていったのです。
 風は、ようやくしずまって、ほとんどわからないくらいになりました。下をみると―まあこわい―なんと、あおい海がひろがっているのでした。
(明日につづく)

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文