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深奥の部屋 村上博子 ルーペで見ると 家々の扉はしまっていて 野原には狐が一匹猪が一匹見えるきり 樹木もしんとして人影は見当らないのに この絵には匂いやさざめきや足音が満ちている 淋しい夕暮れどきこの絵の村に住みたくて泣いた 夜 眠ろうとする私の心の扉から 小さい人物たちがいっぱい 小さい金の扉を いくつも いくつも いくつも いくつも あけてどこかへでかけて行き どれほどの時がたったのか 眠りが浅くなる夜明けに また小さい金の扉を いくつもいくつもいくつもいくつも あけて帰ってくるのだった 金の芥子粒のような最後の扉をあけて みんなが奥の部屋に消えるとき わたしはそれがどんな部屋なのか 見極めることができなかった その部屋はとても良い部屋で バラの花びらを浮かべた酒をふるまい この世の時を超克した のどかな宴なども開かれているらしかった 春の宵 まだ暮れきらない深い紺色の空に 星が一つきらめくと それが私には 芥子粒のような金の扉の奥の 陽気な小人がさざめく部屋に思えた |
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花園を守る「閑暇」という名の娘
昨日の夕方、「友だちのほしかったルピナスさん」を読みながら、フランス中世の物語である「薔薇物語」やバーネットの「秘密の花園」を思い出していた。そして、数日前に何となく紹介した村上博子さんの「深奥の部屋」という詩、そして田中淑恵さんの「見えない王国」という詩を思い浮かべたのだった。 http://magnoria.at.webry.info/200710/article_25.html http://magnoria.at.webry.info/200710/article_49.ht... ...続きを見る |
magnoria 2007/10/13 15:42 |
村上博子
私がこのブログで何回かその詩を紹介させていただいた村上博子さん(1930−2000)の選詩集「雛は佇む」(島朝夫・編 花神社 2001)が古書店から届いた。アンソロジーに紹介されていた村上さんの数点の詩に深く魅了された私は、インターネットで村上さん個人の詩集を探してみたけれど、この詩集一冊しか見つけられなかった。 http://magnoria.at.webry.info/200710/article_25.html http://magnoria.at.webry.info/200... ...続きを見る |
magnoria 2007/10/19 17:16 |
舘野泉リサイタル
今夜焼津市文化センターで開かれた舘野泉リサイタルに行ってきた。舘野さんのことは脳溢血で倒れ右半身不随となりながら左手でカムバックされたピアニストとして以前から関心があったし、今年の夏にシベリウスのピアノ曲のCDを聴いて好きになった方だ。けれど、このリサイタルのことは全然知らずにいて10日程前の新聞記事で始めて知った。何かと忙しい時期だし、少し遠いし、夜は寒くなったし、どうしようかという気持ちもあったけれど、もし行かなかったらきっと後悔すると思って思い切って行ってきたのだった。 http... ...続きを見る |
magnoria 2007/10/25 00:22 |
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