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<<   作成日時 : 2007/08/03 21:45   >>

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私が大切に思っている知人の装丁家・豆本作家の田中淑恵さんの私家版の詩集「ミモザの薬」(鏡書房 1989)から。

  ミモザの薬  田中淑恵

こころの傷が血を噴く夜は
ふところふかく金のピンセットをかくしもち
花の店までしのんでゆこう

大輪のフリンジ咲きのチューリップ
あけぼのいろの耳染めになった薔薇などに
ゆめ惑うことなく通リすぎ
ひとすじにミモザの前まで歩いてゆこう
ゆれている球形の花をひとつずつ
金のピンセットで摘むたびに
薬のしみた綿になる

街に出て
ポケットのミモザの重みを測りつつ
誇りも高く眸をあげ
かぐわしい花の夜風をいだくとき
世におそろしいものもない

この夜にあたらしい千の傷口がひらいても
眼を閉じるよりもかるがると
あかつき前に癒せるだろう

http://books.bunka.ac.jp/np/isbn/9784579208081/

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
本家magnoriaさん、今日は。
「ミモザの薬」大変良い詩ですね。
私の散歩道の途中にも、ミモザの花が1本あります。春になり花がいっぱい、ザランザラン落ちそうに咲くと、美しいのでデジカメで写真を撮ります。今年も気が付いてみるとかなり大きな木に育っていました。来年の春になったら、私もその豆粒のような花をポケットに入れて帰ろうかなー。世に恐ろしいものが無くなるのら・・・
インレッド
2007/08/04 08:58
インレッドさん、ミモザはやっぱり野花を意味していると思います。人間の欲望の世界を象徴する華やかな花によっては癒されないものがあると思うのです。私は心の傷を治すため、世に恐ろしいものがなくなるように毎日本を読んでいるのだと思います。
magnoria
2007/08/04 09:23

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